バレンタインの前に…
甘い香りがする店内には、きれいにオシャレした箱たちが並ぶ。
もうすぐ女の子の勝負のイベントがやってくる。
2月に入って数日たった。
セーラー服の短いスカートの裾から白い足を出した女の子たちが店内をうめすくつ。
厚手のコートを着て、首にはしっかりとマフラーが巻かれている。
「ねぇ、どれにしよっか?」
その中の一人、遠山和葉は友達に声をかけられて顔を上げた。
「そやねー、どれもこれも可愛くて迷うわー」
「ほんまやわー。でも和葉、あんたもう3つもカゴに入れとるやん。そんなに買ってどないするん?」
女の子は恋に必死、義理チョコなんて買ってられない。
「え?これはお父ちゃんや平次んとこのおっちゃん達の分やん!」
カゴの中には無難に選んだ同じチョコが3つ。
「和葉あんた、お父ちゃん達と同じもん服部君にあげるきなんか?!」
残り1つを友達が問う。
「これはお父ちゃんの職場の人にあげるやつやもん」
自分の父と平次の父、それと大滝警部の3人分。肝心の平次へはまだ決めてない。
「ふーん、それで3つだけ早々と決めてずーーっと服部君にあげんの悩んどったんか。」
「べ、別に平次にあげるのなんて悩んでへんもん」
和葉はいつもの強がりを言う。
「ほんまー?」
からかうように友達が笑った。
「ほんま!」
これ以上つっこまれたくなくて和葉はチョコを物色しだした。
友達はにやにやと和葉をしばらく見たが自分のチョコを選びだした。
家に帰った和葉はベットに寝ころがった。
頭の近くにはチョコが4つ入った買い物袋がおかれている。
平次と迎えるバレンタインは何回目になるだろうか。今年も受け取ってくれるだろうか。
不安が頭をよぎる。
想いが伝わらないように、平次に変に思われないように…
幼なじみってオブラートでたくさんたくさん包んで…
メリーメリーバレンタイン…v
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バレンタインになので書いてみました。
本当は書く気なんて無かったのに相方にメールで「バレンタインSS楽しみにしてる」って言われて…(涙)
あたしはただTOPにバレンタインイラスト描いたよって言っただけなのに…
無理矢理なSSですがちょっとでも楽しんで頂ければ感無量です。
(2004.2.5up)