おいかけっこ


ただ君の背中見つめ歩き続けるだけじゃ淋しいから
追いつきたい、追い越したい、
ふり向かないで。


「見たー?今日のニュース」
恵子はうきうきしながら青子に話しかけてきた。
「またKIDの予告?」
半ば呆れながら青子が言うと恵子は頷いた。
「今夜、米花町の美術館から真珠を奪うんだって!」
「どっかの財閥の家宝っていう?」
「そう!青子知ってるんじゃん」
「お父さんが今朝から言ってた……」
青子は今朝の様子を思いだしうんざりしていた。
KIDの予告に息巻いて出勤していった父。
「よ、おはよ」
「快斗……おはよう」
「あ、おはよう」
快斗が来ると青子の機嫌はますます悪くなった。
「なんだよ、青子。朝から辛気くせーな」
「KIDの予告が気に入らないみたいよ?」
恵子は息をつくと、KID話を始めたクラスメートの方へかけていった。
快斗はどこか複雑そうな顔をして青子の顔を覗いた。
「あーおこ。なんだよお前そんなにKID嫌いなのか?」
「嫌いよ!!……怪盗なんて」
青子は少し泣きそうな目で下を向いた。
「どうせ、今日の真珠だってきっと、盗んだ後に返すんでしょ。みんなのこと、お父さんのことおちょくって、一体何が楽しいっていうの……」
青子は快斗を見つめた。
「青子……」
「マジックをそんな風に使うなんて。快斗ならしないでしょ?!」
快斗は心に大きな刃が刺さったように感じた。
『ポーカーフェイスを忘れるな』
快斗の頭の中を亡き父の言葉が頭によぎる。
「当たり前だろ?……な?」
ポンッと手から一輪のバラを出すと青子に差し出した。
「うん!快斗のマジックは良いマジックだもんね!」
満開の笑みが青子の顔からこぼれた。


気休めで良いの、お願い今だけだまし続けて。


だまして、だまされて。
追いかけて、追い越して。

いつか捕まえるその日まで……



−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
初めてサイトに快青を載っけてみました。
先日快青オンリーに出るために頭の中を快青色にしたので、せっかくならサイトにも!って事で快青書いてみましたv
どうですか?
読めばすぐお解りかと思いますが、ブラックスターの裏話のつもりです。
青子がKIDの正体を知っているという設定で書いてみました。
そうゆう設定っていうか、KID話を書く自体初めてなのですが;
いつもはほのぼの快青書いてるんで。KIDの「K」の字も出てきません。
快青好き様、コナン好き様に喜んで貰えたら嬉しいですv

(2005.11.21up)