|
長雨に閉ざされた空間で

「止まないね・・・」
ぽつりと呟いた言葉は、雨音でかき消されるほどの小さいもの。
まるで空気に溶けるように、それは無に帰っていく。
「・・・蘭は、雨、嫌いか?」
新一が読んでいた文庫本から、視線を外した。
私はふるふると首を横に振る。
「嫌いじゃないよ。落ち着く・・・というか、不思議な感じ」
だって、雨の中では人の足並みは比較的静かになる。
そうすれば、新一は束の間の休息を得ることが出来るから。
お出かけするには、青い空が似合う晴天が良い。
でも、二人でいられるなら、そこが雨を凌ぐ一室でも充分なわけで・・・。
「今日は、一緒にいよう?」
雨の日にだけ出来る、ささやかな我が儘。
新一もそれを悟ったように、「ああ」と微笑んでくれた。
(この時間をもたらせてくれた)
夏の雨に、少しだけ感謝を――――――
write by 渚良 信 様
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
昨年同様新蘭夏祭り06に特典イラストとして参加させて頂いた時の絵です。
お題は「長雨に閉ざされた空間で」です。
大人チックにしてみました。
蘭ちゃんはみせブラのようなキャミを着てると思ってくださいませ。
今回も主催渚良さんにイラストに合わせたを書いて頂きました。
こちらも合わせて掲載させて頂きました。ありがとうございます。(2006.11.6up) |